飲食店の場合

飲食店を出店するときに「立地」や「家賃」ばかり気にしていませんか?
もちろんそれも大事ですが、飲食店の物件選びで最重要なのは、設備と言っても過言ではありません 。
場合によっては出店不可能のケースもありますので、厨房を中心に動線確認を行いながら、次の要素を必ずチェックします。
1.ダクトの有無と給排気の経路
飲食店の厨房には換気設備が不可欠です。既存ダクトの状態、給排気のバランス、ダクトの移設や延長可能かの確認が必要です。
2.給排水設備の位置と容量
厨房機器に対する給水・排水の処理能力が不足していたり、給排水菅が厨房やトイレ設置予定の位置から離れ過ぎている場合は、
内装工事費が高額になります。
3.電気容量・ガス容量
厨房機器の消費電力・ガス量に対する容量が不足していると、容量増設工事が高額になります。
物件によっては、容量増設工事が不可能のケースもあります。
必要設備が整っていないと、内装工事で大きな追加費用が発生しますし、営業開始後の致命的なトラブルにつながります。
「居抜き物件」は初期費用を抑えられる魅力がありますが、古い設備だと結局大掛かりな工事が必要になることもあります。
逆に「スケルトン物件」は自由度は高いですが、ゼロから作る分コストがかかります。
だからこそ、 見た目や条件だけで判断せず、設備状況を必ずチェックすること がポイントです。
少し地味に思える部分ですが、ここを押さえることで、おしゃれで快適な店舗づくりにぐっと近づきます。
美容室の場合

美容室の物件選びでも「立地」や「おしゃれな雰囲気」につい目を奪われがちです。
でも実は、美容室ならではの 設備の条件 を見落とさないことが大切です。
美容室の物件選びでは、次の要素を必ずチェックします。
1.給排水設備の位置と容量
シャンプー台の設置には十分な給排水設備が必須です。位置が合わないと床上げ工事範囲が広がり、水圧が低いと加圧工事で内装工事費が高額になります。
物件の給水・排水の処理能力によっては、工事不可能のケースもあります。
2.電気容量の確認
ドライヤー・パーマ用機器など、美容室は高い電力消費が前提です。容量不足は営業不能につながるため、事前に確認が不可欠です。
電気容量が足りない場合、物件によっては、容量増設工事が不可能のケースもあります。
3.動線計画との適合性
待合スペースからカット、シャンプーへの流れがスムーズに構成できるかが重要です。難しい物件の形状だと、内装設計の自由度が著しく制限されます。
例えば、変形した物件や、柱が所々にある物件などは、デットスペースが増え、面積の割にはセット面が少なくなる場合があります。
また、美容室は「待合 → カットスペース → シャンプー台」の流れが自然で心地よい動線になるかどうかも大事なポイントです。
内装でいくらおしゃれに仕上げても、設備や動線が整っていなければお客様にとって快適な空間にはなりません。
内装工事費の適正化や快適なサロンづくりのためにも、物件選びのときは 美容室に必要な条件を最優先にチェックする事が重要です。
